ISSS組合がストライキを決行

ISSSのストライキ

ISSSとは何か

 ISSSとは、病気にかかったときに無料で診察が受けられる病院である。日本のような社会保険制度のないエルサルバドルでは、診察にかかる費用が莫大のため、お金のない人は病院に行くことができないのが実状である。そこで、少しでも多くの患者が診察を受けられるようにとの配慮から、政府の援助でISSSが全国各地に設けられた。一見無料サービスというのはよさそうに思えるが、ISSSには以下のような問題を抱えている。

  1. ISSSは会員制となっており、会員以外の患者は診察してもらえない。
  2. ISSSに会員登録が出来る条件として、安定した収入を得られる組織に勤務していることが必要である。この条件を満たさないために会員になれない人が非常に多いため、事実上お金持ちだけの特権となっている。
  3. 国立病院も同様に、国営の病院の医師は技術レベルが低く、重病の患者については処置できない。したがって、民間病院に比べ、サービスの低下は否めない。
  4. ISSSの病院の数が非常に少なく、患者が集中するため、いつも長時間待たされる。
 このような問題を抱えたISSSに対し、今回政府はISSSの民営化を提案した。この提案に反対した組合がストライキを起こした、と言うのが今回の事件である。