昔、エルサルバドルにも鉄道があった???
エルサルバドルでは2002年10月16日まで、中米で唯一の定期旅客列車が毎日運転されていた。運転区間はソンソナテ県の県都ソンソナテ〜同県アルメニア間で、25kmを最速58分で結んでいた。運転時間は日中帯のみで、一つの機関車と客車で1日4往復、ピストン運転していた。この区間は道路とは平行しておらず、地元の人の大事な足として機能していた。しかし、年間約390万ドルという損失がFENADESAL(エルサルバドル国鉄)の経営に重くのしかかり、結局他の線と同様、廃止の道をたどることになった。運賃は乗車距離に関係なく、0.23ドルの均一だった。
列車運転時刻表 (2002年7月11日現在) |
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下 り | 上 り | ||
Armenia 発 |
Sonsonate 着 |
Sonsonate 発 |
Armenia 着 |
7:35 | 8:33 | 6:10 | 7:18 |
10:35 | 11:33 | 9:10 | 10:18 |
13:35 | 14:33 | 12:10 | 13:18 |
16:25 | 17:23 | 15:00 | 16:08 |
ソンソナテ駅出札窓口および待合室
この写真のように駅に出札窓口と待合室があるのは始発・終着両端の駅のみであった。途中駅は駅舎はおろかホームも改札口も、さらには駅名表示板も何もない駅ばかりであった。(下の22km駅をご覧ください)
ディーゼル客車
日本では何年も前に廃止になった旧型客車が、こちらでは廃線直前まで現役で頑張っていた。
ディーゼル機関車
客室内部
客室内部のシートはすべて木製のベンチ。スピードは時速約30km(私の体感による測定)で、縦横双方の揺れがとても激しい。
22km駅
一体どこに駅があるのか。ホームも駅舎も、ベンチも、挙げ句の果てには駅名表示板もない。一体運転士や地元の利用客は何を目標にして駅だとわかるのか、謎である。