最近の国内重大ニュース(2002年11月〜12月)

日 付
分 野
題 名 内 容
2002/12/27
病院ストライキ
警察がデモ隊を強制排除、患者の受付が始まる 警察および機動隊(UMO)は、医師組合のストライキが始まって以来ブロックされていた外科医(通称MQ)と専門医の正門入口を強制排除した。警察の行動は未明の3:50から300人を導入して行われ、入口の鍵を撤去し、正門を開いた。その間、警察の行動を阻止しようとする組合員と衝突した。警察の介入に反対する組合員は、ヨハネパウロ2世通りを封鎖し、交通を遮断する妨害行為で抵抗した。
警察のこの行動により、3ヶ月ぶりに患者の出入りが可能となり、今日一日で135人が診察に訪れた。
(警察強制突破の様子)
2002/12/20
病院ストライキ
フローレス大統領、条件付きで全医師に特別ボーナス支給を発表 フローレス大統領は現在ストライキ中の医師組合に対し、条件付きで全組合員に1,500ドルの特別ボーナスを支給する、と発表した。大統領によると、その条件として「すぐに仕事に復帰し、今まで働かなかった分の超過勤務をする事」とした。
2002/12/19
病院ストライキ
新法1024条がついに廃案 国立病院ISSSの民営化・権限移譲の禁止と、病院内の民間サービス(清掃、食事など)の禁止を盛り込んだ新法1024条を廃案にするかどうかについて、与党ARENA党と野党PCN党の賛成多数により廃案となった。PCN党はストライキ期間中、一貫して与党ARENA党と対決していたが、今回方針を一変し、廃案に賛成票を投じることになったのが、廃案可決を後押しした。廃案により、事態はストライキ前と全く同じ状況へ逆戻りしたことになる。
2002/12/16
社 会
マリオナ刑務所内の乱闘で2人の警察官が死亡、人権問題が持ち上がる 首都サンサルバドル近郊にあるラ・エスペランサ(通称マリオナ)刑務所内で囚人と警官の間で乱闘となり、警官2人が死亡した。マウリシオ・サンドバル警察長によると、刑務所内の乱闘沈静化のため臨時に警察を動員しようと計画していたが、人権問題委員より妨害された、と発表した。その理由として人権問題委員長のベアトリセ・デ・カリジョは「囚人の人権を守る必要があるため」と説明した。囚人の人権と警察の命どちらを優先して守るべきか、大きな社会問題となっている。
2002/12/13
社 会
首都中心部でデモ隊と警察が衝突 首都サンサルバドルの中心街セントロで、交通渋滞の原因となっている路上の出店を一掃する措置が執られ、国立劇場前と国立宮殿前に並ぶ店の一斉締め出しを行った。この措置に納得がいかない売り子達が、警察に抗議を行い、公共物の破損、通行の妨害などを行った。文化審議会(CONCULTURA)によると、デモ隊の被害にあった国立劇場と国立宮殿の修復には、11万4285ドル(約1370万円)程度かかる、と発表した。
(混乱の様子)
2002/12/ 9
病院ストライキ
「1024条は憲法違反」最高裁が判決下す 最高裁判所(CSJ)は、1024条第5項の「ISSSの清掃、食事などのサービスに関する民間会社との契約禁止」について、憲法に違反しているので、批准を認めない、との判決を下した。その理由として、「既に契約している民間会社とは来年3月まで契約が結ばれている。しかしこの法律が批准されると、一方的に契約が今年限りでうち切られることになり、正当性が認められない」とした。1024条は既に議会の賛成多数で可決していたが、今回の最高裁の判決により差し戻しとなり、再度審議し直すことになった。
2002/12/ 7
スポーツ
中米・カリブ五輪が閉幕 首都サンサルバドルで行われていた第19回中米・カリブ五輪が無事に全日程を終了し、閉幕した。開催国エルサルバドルは第7位の123個のメダルを獲得した。
(閉会式の様子)
(各国のメダル獲得数)

2002/11/30
国 際
ベネスエラのチャベス大統領がエルサルバドル訪問 ベネスエラのウゴ・チャベス大統領がエルサルバドルを訪問した。チャベス大統領のエルサルバドル訪問は2年ぶりで、目的は自国のカヤック代表選手が行方不明になったコアテペケ湖を訪問することだった。滞在は約12時間という、とても短い時間だった。
(詳細写真)

2002/11/27
病院ストライキ
デモがエスカレート、機動隊と衝突 医師組合のデモ行進がエスカレートしてきた。10:30、首都サンサルバドルの25番北通り(ロサレス病院近く)で機動隊とデモ隊が衝突した。このため、19人の機動隊員が重軽傷を負った。フローレス大統領は「デモ隊の目的は開催中の中米・カリブ五輪を中止させることと、世界各国に対し、エルサルバドルが危険で衝突が多い国だという、悪いイメージを与えることが目的だ」との見解を示した。またマウリシオ・サンドバル警察長は、「現在五輪の警備で人手がかかっており、機動隊が手薄となっている。たった20人の機動隊で500人のデモ隊を相手にするのは不可能だ」と述べた。機動隊との衝突は翌28日にも連続して発生した。
(デモの様子)

2002/11/26
病院ストライキ
医師組合のデモ行動、国民の同意得られず 新聞社ラ・プレンサは、長期化している医師組合のストライキについて、国民世論調査を行った。4つの質問いずれもがストライキに否定的な回答結果を示しており、組合の行動が国民の賛同を得ていない、と言える。
(世論調査の詳細結果)

2002/11/23
スポーツ
中米・カリブ五輪が開幕 4年に1度行われるスポーツの祭典、中米・カリブ五輪が開幕した。第19回目となる本大会は、エルサルバドルを主催国に、2週間の予定で行われる。
(開会式の様子)
(参加国一覧)

2002/11/21
国 際
エルサルバドルの航空、安全度が格上げ フローレス大統領とローズ・リキンス米国大使の発表によると、国際航空協会(OACI)が格付けしている航空の安全度について、エルサルバドルの航空がカテゴリー1に昇格した。エルサルバドルの航空は昨年(2001年)6月、「OACIが科している安全の条件を満たしていない」として、カテゴリー2への降格を言い渡されていた。今回、1年5ヶ月ぶりにカテゴリー1を取り戻した。
2002/11/20
社 会
ベネスエラの競艇選手が湖で行方不明 中米・カリブ五輪でベネスエラのカヤック代表選手であるアレクシス・コバさんが、訓練を行っていたサンタアナ県内のコアテペケ湖で行方不明となった。アレクシスさんは同僚4人と一緒に訓練を行っていて、他の同僚は無事に救助された。サンタアナ第二海軍隊員のホルヘ・バラオナさんによると、事故当時湖一帯に突風が吹いたため、ボートが転覆したのではないか、との見解を示した。
2002/11/20
病院ストライキ
新法1024条は憲法違反の恐れあり ISSSの民営化及び権限移譲の禁止を盛り込んだ1024条は憲法違反の疑いが出てきた。問題となっているのは第5項で、国立病院は患者への食事、洗濯や掃除など、従来民間業者に委託していたサービスも禁止することを盛り込んでいる。この条項は現在契約している290の民間業者との契約が出来なくなるだけでなく、自由競争を目指している憲法にも違反することになる。
2002/11/17
社 会
強風の影響で4人が死亡 午前10時頃(推定)ラ・リベルタ県ヌエバサンサルバドル市内を走行中の長距離路線バス202番(サンサルバドル発アワチャパン行)が強風で倒れた大きな木の下敷きとなった。この事故により乗客40人中4人が鉄屑に挟まれて死亡、3人が重軽傷を負った。国内調査サービスが調べたところ、当時この地域には瞬間風速72km/hの突風が吹いていた、と報告した。
(被災地と被災者救出の様子)
2002/11/14
病院ストライキ
民営化禁止法案、ついに可決 ISSSの民営化及び権限移譲の禁止を盛り込んだ新法1024条が、ついに議会の賛成多数で可決した。一度はフローレス大統領の拒否権発動により否決されたが、今回は大統領が方針を転換し拒否しないことを表明したため、本法律は事実上の可決となった。医師組合はこの決定に対し、手を挙げて喜んでいた。一方、医師組合はラモス・ファジャISSS総裁の辞任ととストライキによる解雇撤回を求めて、引き続きストライキを続けることを明らかにした。
(詳細写真)
2002/11/ 9
スポーツ
聖火がエルサルバドルに到着、聖火リレーが始まる 中米各国を巡回していた五輪の聖火が、この日ついに開催国エルサルバドルへ到着した。これを受けて、フロールプランカスタジアムで聖火リレー出発式が行われた。聖火はこれから開催日までの2週間、国内14県全ての県を巡回する。
(聖火リレー出発式の様子)

2002/11/ 9
病院ストライキ
ストライキは続くよどこまでも ISSSの民営化に反対する医師組合と有志の大学生と団体、およびFMLN党の国会議員が一体となり、首都サンサルバドルの中心通りをデモ行進した。
(デモ行進の様子)

2002/11/ 6
病院ストライキ
大統領と医師組合との直接協議が始まる 先日の大統領の公式発言(2002/10/31)を受けて、医師組合は大統領との直接協議に入り、決着へ向けて第一歩を踏み出した。フローレス大統領は医師組合から、自らの公式発言の後も続いているストライキを中止するための条件を聞き出すことが目的とされている。
2002/11/ 4
生 活
旧通貨コロン、さらに少なく エルサルバドルのドル化がさらに進んだ。中央銀行(BCR)総裁のルス・マリア・セルパスさんの発表によると、本年9月現在で国内流通の83.3%がドルで取り引きされており、とりわけ銀行の預金に関しては99%がドルが使われている。しかし、いつをもってコロンを廃止し、ドル単一通貨とするかは、まだ決まっていない。
2002/11/ 2
政 治
シルバ氏、市長立候補を断念 来年3月に行われる国会議員及び市町村長選挙において、首都サンサルバドルの市長再選をめざして立候補していたFMLN党のヘクトル・シルバ現市長が、立候補断念する事を明らかにした。FMLN党が、先日シルバ氏が行ったフローレス大統領との密約は党の方針に反し、裏切り行為であるとして公認を取り消すことを明らかにしたことが理由である、と発表した。シルバ氏の断念により、対抗馬の一番手とされていたARENA党の前教育大臣エベリン・ハシル・デ・ロボ氏がかなり有利な状況となった。

参考資料 La Prensa Gráfica

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